2025/09/17

マニュアル作成の基礎

作業手順書の動画化で教育コストを削減する方法――企画・撮影・運用まで現場主導で回す完全ガイド

作業手順書の動画化で教育コストを削減する方法――企画・撮影・運用まで現場主導で回す完全ガイド

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はじめに:結論と効果――作業手順書は「動画+テキスト」の併用が最適解

動画化の目的は、教育の属人化を防ぎ、習熟までの時間を短縮することです。結論から言うと、作業手順書の動画化は単独運用よりも、要点を短尺動画で示し、細かな条件分岐やチェック項目はテキストで補完する「ハイブリッド」が最も実務的です。これにより、初回教育の理解度向上、質問・手戻りの減少、現場引き継ぎの平準化といった効果が期待できます。向く業務は「手元の動きが重要」「画面操作が多い」「安全上の手順厳守が必要」なもの。例:出荷検品、機械の立上げ、SaaSの設定作業など。

動画化の準備:目的・KPI・体制を先に決める

目的とKPIの設計

  • 目的例:新人の独り立ち日数を20%短縮/不良・再作業の発生率を半減。
  • KPI例:視聴完了率、理解度テスト正答率、OJT同行回数、質問件数、初回合格率。

対象業務の選定優先度

  • 頻度が高く、失敗コストが大きい作業から着手。
  • 標準化済みで、手順のぶれが少ないものを優先。

体制と権限

  • プロジェクト構成:オーナー(決裁)/現場リーダー(台本責任)/撮影・編集担当/品質レビュー。
  • 承認フロー:台本→現場レビュー→法務・品質→リリース。版管理はv1.0から開始。

台本テンプレ(抜粋)

  • 目的(この動画でできること/できないこと)
  • 前提・必要物(工具・アカウント権限・安全装備)
  • 手順(番号付き、各ステップの“合格基準”を明記)
  • 危険ポイント・よくある失敗と回避策
  • 確認テスト(3問程度、○×/三択)

制作手順:作業手順書の動画化プロセス(最短で質を担保するやり方)

動画マニュアル作成フロー

1. シナリオ化(箇条書き→映像指示へ)

  • テキスト手順書を読み、各ステップの「手・視線・画面」のどれを見せるかを決定。
  • “1ステップ=1メッセージ=1カット”を原則に、冗長な説明を排除。

2. ストーリーボード(紙でもOK)

  • ショットNo/画角(俯瞰・手元アップ・画面キャプチャ)/ナレーション要点/注記(注意テロップ)を記入。
  • 3~5分に1本を分割し、チャプター名を先に決めると編集が速い。

3. 撮影・収録準備

  • 環境:静かな部屋、作業台の反射防止、十分な光量(デスクライト2点)。
  • 機材:スマホ+固定スタンド、ピンマイク、画面収録ソフト。三脚は水平に固定。
  • 安全:保護具・ロックアウト手順など、遵守状態で撮影。

4. 撮影・画面キャプチャのコツ

  • カメラは手元の動きを遮らない斜め俯瞰。重要操作は手元アップを挿入。
  • 画面操作はショートカットやクリック位置を円形カーソルで強調。
  • NGを恐れずテイクを分ける。後でカットを繋ぐ方が速い。

5. 編集(最低限で速く仕上げる)

  • 冒頭10秒で「できるようになること」を字幕で明示。
  • 無音区間・言い淀みをカット。BGMは原則なし、重要箇所のみ短い提示音。
  • テロップは“動詞+名詞”で簡潔に(例:ネジを対角締め)。

6. ナレーション・字幕・アクセシビリティ

  • 先に台本を読み上げ録音→映像に合わせて微調整。
  • 必ず日本語字幕を付与。専門用語は1回だけ括弧で補足。
  • 難聴者向けに効果音の意味(「警告音」など)を括弧で併記。

7. 配信・検索性の設計

  • 社内ポータル/LMSにアップ。タイトルは「業務名手順版数_v1.0」。
  • チャプター(目次)を時刻付きで登録。関連ドキュメント(チェックリストPDF)を同ページに併置。
  • タグ例:#検品 #安全 #初期設定 #ハンドオーバー。

動画とテキストの役割分担:比較と使い分け

項目テキスト手順書動画マニュアル併用(推奨)
理解の速さ条件分岐に強い直感的・初学者に強い導入は動画、細部はテキスト
更新のしやすさ軽微変更に強い再編集が必要頻繁更新はテキスト、要点は動画
検索・参照性キーワード検索が容易チャプター設計次第動画に目次+全文要約を併記
監査・証跡版管理が容易視聴ログが残せる両方の履歴で補完
現場適合性静的な場面に◎動き・コツの共有に◎「見る→読む→やる」で定着

運用・更新:品質を落とさず継続する仕組み

動画マニュアル作成のPDCAサイクル

版管理とレビュー

  • 命名規則:タイトル_v1.1(軽微修正)/v2.0(手順変更)/廃版はretired。
  • レビュー頻度:四半期ごとにKPIを確認、視聴者の質問を台本に反映。

教育への組込み

  • 動画視聴→確認テスト→実地チェックリスト→合格の流れを標準化。
  • 現場掲示やQRコードで該当動画へ即アクセス。

測定と改善

  • 完了率が低いチャプターは長すぎ・情報過多の兆候。3~6分を基準に再編集。
  • 質問が多い箇所は、手元アップやテロップの追加で補強。

失敗しないコツ・チェックリスト

制作前チェック

  • 目的とKPIが明文化されている
  • 対象手順が標準化されている
  • 台本・承認フロー・版管理ルールがある

撮影・編集チェック

  • 重要操作は“手元アップ+テロップ”で可視化した
  • 冒頭10秒でゴールを提示した
  • 安全・品質に関わる警告を明示した
  • 字幕・チャプター・要約を付けた

公開後チェック

  • 視聴ログとテスト結果をKPIに連動させた
  • 質問・事故・不具合を月次でレビューした
  • 軽微改定はテキスト、構造変更は動画を更新した

よくあるQ&A

Q. 長尺動画を1本で作るべき?

A. 分割が基本です。3~6分×複数本の方が視聴完了率も更新効率も高くなります。

動画マニュアル作成ツール3T's

Q. 機材は何が最小?

A. スマホ+三脚+ピンマイクで十分。光量だけはケチらないのがコツ。

Q. 社外秘や個人情報はどう守る?

A. 画面の伏字・モザイク、撮影許可の明文化、公開範囲の権限設定、サンプルデータの使用を徹底。

Q. 多言語対応は?

A. 日本語原版に英語字幕を重ね、必要に応じて音声のみ差し替える方式がコスト効率◎。

まとめ

動画化は「初学者の理解」と「現場の平準化」に強い一方、更新コストはテキストが優位です。両者の役割を明確に分担し、台本→短尺分割→字幕・チャプター→KPI運用の流れを仕組み化すれば、教育コストを着実に下げられます。まずは重要業務から3本だけ作り、改善サイクルを回しましょう。

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